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適応障害と鍼灸治療について

2025-06-12

おはようございます。
とみ鍼灸治療院の松葉です。

 

今日は適応障害の鍼灸治療について書きたいと思います。

 

適応障害、聞いた事ないという方もいらっしゃるかもしれませんが、

このストレス社会と呼ばれる今の時代、

罹患する確率は高くなってきております。

 

 

適応障害とは現代の忙しい生活の中で、多くの人が悩んでいる心と身体の不調のひとつです。

たとえば、職場や学校の人間関係、環境の変化などによる強いストレスがきっかけで、気分が落ち込んだり、身体の調子が悪くなったりします。

主な症状は倦怠感、腹痛、動悸、ふらついたり、食欲不振、頭痛など

長期間続くと仕事を休職する方、学校を長期休む方もいるくらいです。

 

病院ではカウンセリングや薬を使うことが一般的ですが、

鍼灸治療は、身体と心をやさしく整える自然な方法として注目されています。

 

東洋医学では、適応障害をいくつかのタイプに分けて考えます。

 

たとえば、「肝気鬱結(かんきうっけつ)」というタイプは、ストレスでイライラしたり、ため息が増えたり、寝つきが悪くなったりします。

これは「肝気(かんき)」という気の流れが滞っている状態です。

 

次に「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」というタイプは、心と胃腸が弱っていて、やる気が出ず、疲れやすく、集中できないなどの症状が出ます。

夜眠れなかったり、気分が落ち込みやすいのも特徴です。

 

「心腎不交(しんじんふこう)」というタイプは、心と腎(じん)のバランスが乱れて、不安が強くなったり、焦ったり、眠れなかったりします。

鍼灸では、こうした状態に合わせて、身体のツボを選んで刺激します。

たとえば、「内関(ないかん)」というツボは、不安や動悸を落ち着かせる効果があります。「百会(ひゃくえ)」という頭のてっぺんのツボは、気分を明るくして、心を落ち着かせてくれます。

「太衝(たいしょう)」は、足にあるツボで、イライラをやわらげる働きがあります。「神門(しんもん)」は、手首にあるツボで、眠れないときや気持ちが落ち着かないときに効果があります。

「足三里(あしさんり)」は胃腸を元気にして、体力をつけるのに役立ちます。「三陰交(さんいんこう)」は女性の体調やホルモンバランスを整えるのに使われることが多いツボです。

 

実際に、30代の女性が仕事のストレスで不安や不眠を感じて来院されたとき、

「太衝」「内関」「百会」「神門」「足三里」「三陰交」のツボに鍼をして、週1回のペースで4〜6回ほど治療を行ったところ、

気持ちが安定し、眠れるようになったという例があります。

 

鍼灸は、薬を使わずに体の自然な力を引き出し、心と身体を整える方法です。漢方薬を併用したり、深呼吸や瞑想、生活習慣のアドバイスと組み合わせると、より高い効果が期待できます。

 

重ねて適応障害は、誰にでも起こる可能性がある身近な問題です。

現在はストレス社会と言われ、自分では気づかないうちに何かと気を使う事も多々ありますが、

気の使い過ぎが

自分の許容量を超えた時、突然適応障害になる事があります。

特に真面目で周りから優しい人と言われる方はストレスの発散、気分転換を

普段から小出しでやっておくと良いでしょう。