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嫌気、悪気は伝わる
おはようございます。
とみ鍼灸治療院の松葉です。
今回は「嫌気や悪気は伝わるのか?」というテーマでお話ししたいと思います。
私の経験から言うと、それは確実に伝わると思います。
この話は、私がまだ病院勤務をしていた頃に遡ります。
ある朝、私はひどい腰痛に襲われました。
仕事を休むわけにもいかず、なんとか無理をして出勤したのを覚えています。
当時、私はリハビリ科に勤務しており、
同じ部署の女性鍼灸師に
「午後診前に鍼をお願いできませんか?」と頼みました。
彼女は
「午後診前なら良いですよ」と快く(その時はそう感じました)引き受けてくれました。
その言葉を励みに、午前の診療をなんとかこなし、腰の痛みに耐えながら往診も行いました。
そして、待ちに待った午後の前。
「鍼をお願いします」
と声をかけたところ、返ってきたのは意外な一言でした。
「そんなに痛いんだったら、整形外科の診察を受けたらどうですか?」
思わず言葉を失いました。
それでも私は、痛みを堪えて再度お願いしました。
結果として、彼女は鍼を打ってくれたのですが、その対応はとても不機嫌で、
鍼の刺激も強く「ぐりぐり」と雑に刺されているような感覚でした。
終わったあと、彼女はさらに不機嫌そうで、私の腰痛はむしろ悪化していました。
私は
「ありがとうございました」と伝えましたが、心はなんとも言えない気持ちでした。
この出来事を通して実感したのは、人の感情は、施術にも空気にも現れるということです。
嫌々やっていることは、どんなに取り繕っても相手に伝わります。
そして、施術というのは「技術」だけでなく「想い」や「信頼」も含まれているのです。
もちろん、私たちも人間です。
体調が悪い日や気分が落ちている時もあります。
でも、だからこそ感情に流されず、誠実に対応することが大切だと改めて感じました。
日常の人間関係でも同じです。
「あの人、私のこと嫌ってるかも…」と感じるとき、実はそれは本当に相手から発せられている空気かもしれません。
逆に、自分の「苦手だな」という気持ちも、意外と相手に伝わっていることがあります。
だからこそ、冷静に、丁寧に、感情に振り回されないことが、人との関係を良好に保つ鍵だと思います。
「嫌気や悪気は、思っている以上に伝わる」
これは、治療の現場でも、日常生活でも変わらない事実です。
少しでも皆さんの心に残れば幸いです。