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一晩寝て考えてみる
「一晩寝て、気持ちが変わらんかったら俺んとこ来て言え!!」
これは、昔勤めていた病院の院長が、怒鳴るように私へ放った言葉です。
おはようございます。
とみ鍼灸治療院の松葉です。
勤務時代の私は、雇う側からすれば、かなり扱いにくい鍼灸師だったと思います。
当時の院長は、これまでに40人ほどの鍼灸師を雇い、
平均2か月、早い人は3日で辞めていくという、
自他ともに認める「鍼灸師殺し」のこれまたクセの強い医者でした。
そんな環境の中、
私は最長の3年半勤務しました。
ある日のことです。
毎日来院していた患者さんが、急に来なくなりました。
それだけで、院長の機嫌は朝から最悪。
その空気は、リハビリ室にまで伝わってきます。
(今日は絶対、帰りに八つ当たりされる…)
そう察知した私は、
仕事が終わると同時に帰ろうと決めました。
ちょうどその時、院長担当の内科の患者さんが長話をしていました。
(しめしめ…今のうちだ。)
「お疲れ様でした」と言って、
私は足早に病院を出ました。
ところが。
帰り道の途中、携帯が鳴り響きます。
画面を見ると、院長の名前。
嫌な予感しかしません。
「なんで〇〇さん、来ないんや!」
怒鳴り声でした。
「知りません。」
「お前の担当やろ!!どないなってんねん!」
今なら間違いなくパワハラです。
さらに院長は続けます。
「だいたい、お前はな、想いを持って仕事しとらん!覚悟が足らんのじゃ!」
(なにぃ…!)
私はついに、堪忍袋の緒が切れました。
「分かりました!じゃあ明日〇〇さんが来なければ辞めます。」
電話の向こうが一瞬、静まりました。
「……お、おまえ、それ本気で言うてんのか!」
「失礼します。」
ガチャ。
電話を切った瞬間、
(うわぁ言ってもうたわ)
翌日。
退職も覚悟して出勤しました。
すると。
〇〇さん、普通に来院されていました。
心の中で、膝から崩れ落ちそうになりました。
しばらくして、院長室に呼ばれます。
院長は開口一番。
「ほんま、〇〇さん来て良かったわ!」
そして、机を軽く叩きながら言いました。
「お前な!退職なんて安易なことを言うな!」
「一晩寝て、気持ちが変わらんかったら俺んとこ来て言え!!」
私は即座に返しました。
「男は辞表を持って仕事せなアカンのです。」
院長は目を丸くしました。
「じゃあ、〇〇さん来んかったらホンマに辞めるつもりやったんか?」
「その時は〇〇さんの家に行って、縄つけてでも連れて来る気でした。」
「そんなこと患者さんにするやつがあるか!!アホ!」
一拍おいて。
「……まったくお前ってやつは。今日飲みに行くぞ!」
その日の夜、院長に連れられて飲みに行きました。
説教は最初の10分だけ。
あとは、いつものように笑いながら酒を飲みました。
何が言いたいのかと言いますと。
どんな場面でも、
感情だけで判断しないことです。
あの時、もし本当に辞めていたら、
きっと後悔していたと思います。
私に限らず、
感情に任せて発してしまった言葉に
後悔した経験のある方は多いのではないでしょうか。
まずは飲み込む。
そして早く寝る。
翌朝、もう一度考える。
それでも気持ちが変わらなければ、その時に言えばいい。
たいていは、
一晩で気持ちは落ち着いています。
感情をコントロールできた時、
人はまた一段、成長できるのだと思います。



