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一晩寝て考えてみる

2026-02-24

「一晩寝て、気持ちが変わらんかったら俺んとこ来て言え!!」

これは、昔勤めていた病院の院長が、怒鳴るように私へ放った言葉です。

 

おはようございます。

とみ鍼灸治療院の松葉です。

 

勤務時代の私は、雇う側からすれば、かなり扱いにくい鍼灸師だったと思います。

 

当時の院長は、これまでに40人ほどの鍼灸師を雇い、

平均2か月、早い人は3日で辞めていくという、

自他ともに認める「鍼灸師殺し」のこれまたクセの強い医者でした。

 

そんな環境の中、
私は最長の3年半勤務しました。

 

ある日のことです。

毎日来院していた患者さんが、急に来なくなりました。

それだけで、院長の機嫌は朝から最悪。

その空気は、リハビリ室にまで伝わってきます。

 

(今日は絶対、帰りに八つ当たりされる…)

 

そう察知した私は、

仕事が終わると同時に帰ろうと決めました。

 

ちょうどその時、院長担当の内科の患者さんが長話をしていました。

 

(しめしめ…今のうちだ。)

 

「お疲れ様でした」と言って、

私は足早に病院を出ました。

ところが。

帰り道の途中、携帯が鳴り響きます。

 

画面を見ると、院長の名前。

 

嫌な予感しかしません。

「なんで〇〇さん、来ないんや!」

怒鳴り声でした。

「知りません。」

「お前の担当やろ!!どないなってんねん!」

今なら間違いなくパワハラです。

さらに院長は続けます。

「だいたい、お前はな、想いを持って仕事しとらん!覚悟が足らんのじゃ!」

(なにぃ…!)

 

私はついに、堪忍袋の緒が切れました。

 

「分かりました!じゃあ明日〇〇さんが来なければ辞めます。」

電話の向こうが一瞬、静まりました。

「……お、おまえ、それ本気で言うてんのか!」

「失礼します。」

 

ガチャ。

 

電話を切った瞬間、

(うわぁ言ってもうたわ)

 

翌日。

 

退職も覚悟して出勤しました。

すると。

〇〇さん、普通に来院されていました。

心の中で、膝から崩れ落ちそうになりました。

 

しばらくして、院長室に呼ばれます。

 

院長は開口一番。

「ほんま、〇〇さん来て良かったわ!」

そして、机を軽く叩きながら言いました。

「お前な!退職なんて安易なことを言うな!」

「一晩寝て、気持ちが変わらんかったら俺んとこ来て言え!!」

 

私は即座に返しました。

 

「男は辞表を持って仕事せなアカンのです。」

 

院長は目を丸くしました。

「じゃあ、〇〇さん来んかったらホンマに辞めるつもりやったんか?」

「その時は〇〇さんの家に行って、縄つけてでも連れて来る気でした。」

 

「そんなこと患者さんにするやつがあるか!!アホ!」

一拍おいて。

「……まったくお前ってやつは。今日飲みに行くぞ!」

 

その日の夜、院長に連れられて飲みに行きました。

説教は最初の10分だけ。

あとは、いつものように笑いながら酒を飲みました。

 

何が言いたいのかと言いますと。

 

どんな場面でも、

感情だけで判断しないことです。

 

あの時、もし本当に辞めていたら、
きっと後悔していたと思います。

 

私に限らず、

感情に任せて発してしまった言葉に

後悔した経験のある方は多いのではないでしょうか。

 

まずは飲み込む。

そして早く寝る。

 

翌朝、もう一度考える。

 

それでも気持ちが変わらなければ、その時に言えばいい。

たいていは、
一晩で気持ちは落ち着いています。

感情をコントロールできた時、
人はまた一段、成長できるのだと思います。