漫画でわかる とみ鍼灸治療院漫画でわかる とみ鍼灸治療院

ブログ > あおたんとラーメン。頑固オヤジの...

ブログ

あおたんとラーメン。頑固オヤジの職人魂

2025-04-29

おはようございます。

とみ鍼灸治療院の松葉です。

 

今日は、私がかつて通っていた、あるラーメン屋の物語をお届けしたいと思います。
気楽な気持ちで、どうぞ最後までお付き合いください。

 

かつて私は、週に3回はラーメンを食べるほどのラーメン好きでした。
今は健康を考えて月1回ほどにしていますが、それでも時々、無性にあの味が恋しくなります。

 

そのラーメン屋は、私が勤務していた病院の近くにありました。

店主、通称「オヤジ」は、まさに頑固一徹。

ラーメンを出すときも無言。

どんぶりを「ゴトっ」と置くだけ。

「ありがとうございました」もなければ、笑顔もない。

しかし、驚くことに常連客には別人のように愛想がよく、何度通っても不愛想な私との態度の違いには、思わず苦笑いしてしまったものです。

 

それでも、オヤジの作るラーメンは絶品でした。

無言でも、無愛想でも、その一杯には食べる価値があったのです。

 

そんなある日。

オヤジが従業員を雇ったのです。

30歳くらいの、真面目そうな男性でした。

「おおっ、ついに後継者を育てる気になったか」

そう思いながら、カウンター越しに二人の様子を見ていました。

しかし、教えるというより、ただコキ使っているようにしか見えません。

従業員が餃子の餡を包んでいる最中、オヤジは熱々の中華鍋を彼の手のすぐそばにドンッと置きました。

従業員は驚き、熱が伝わったのか痛そうな顔。

 

その瞬間、オヤジを一瞬だけ、鋭い目で睨みつけたのです。

 

そして1週間後。

 

私はまた、オヤジのラーメンを食べたくなり店を訪れました。

 

しかし、従業員の姿はもうありませんでした。

 

それだけならまだしも、オヤジの眼の周りには大きなあおたんが…。

すぐに察しました。

きっと、辞めるときに一発お見舞いされたのでしょう。

 

それでも、あおたんを作りながら、変わらぬ無愛想と黙々とラーメンを作る頑固なスタイルを貫くオヤジ。

 

…これはこれで、やっぱり一種の「職人魂」だなと、私は密かに尊敬したのでした。