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あおたんとラーメン。頑固オヤジの職人魂
おはようございます。
とみ鍼灸治療院の松葉です。
今日は、私がかつて通っていた、あるラーメン屋の物語をお届けしたいと思います。
気楽な気持ちで、どうぞ最後までお付き合いください。
かつて私は、週に3回はラーメンを食べるほどのラーメン好きでした。
今は健康を考えて月1回ほどにしていますが、それでも時々、無性にあの味が恋しくなります。
そのラーメン屋は、私が勤務していた病院の近くにありました。
店主、通称「オヤジ」は、まさに頑固一徹。
ラーメンを出すときも無言。
どんぶりを「ゴトっ」と置くだけ。
「ありがとうございました」もなければ、笑顔もない。
しかし、驚くことに常連客には別人のように愛想がよく、何度通っても不愛想な私との態度の違いには、思わず苦笑いしてしまったものです。
それでも、オヤジの作るラーメンは絶品でした。
無言でも、無愛想でも、その一杯には食べる価値があったのです。
そんなある日。
オヤジが従業員を雇ったのです。
30歳くらいの、真面目そうな男性でした。
「おおっ、ついに後継者を育てる気になったか」
そう思いながら、カウンター越しに二人の様子を見ていました。
しかし、教えるというより、ただコキ使っているようにしか見えません。
従業員が餃子の餡を包んでいる最中、オヤジは熱々の中華鍋を彼の手のすぐそばにドンッと置きました。
従業員は驚き、熱が伝わったのか痛そうな顔。
その瞬間、オヤジを一瞬だけ、鋭い目で睨みつけたのです。
そして1週間後。
私はまた、オヤジのラーメンを食べたくなり店を訪れました。
しかし、従業員の姿はもうありませんでした。
それだけならまだしも、オヤジの眼の周りには大きなあおたんが…。
すぐに察しました。
きっと、辞めるときに一発お見舞いされたのでしょう。
それでも、あおたんを作りながら、変わらぬ無愛想と黙々とラーメンを作る頑固なスタイルを貫くオヤジ。
…これはこれで、やっぱり一種の「職人魂」だなと、私は密かに尊敬したのでした。