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熱中症とクーラーと
おはようございます。
とみ鍼灸治療院の松葉です。
今年の夏は連日記録的な猛暑で、熱中症で倒れる方、搬送される方も多くいらっしゃいます。
外出しても以前のように子供が虫取りをしたり、遊んでいる姿は少ないです。
天気予報やニュースでも「無理な外出はお控えください」と言われているのが効いているのだと思います。
しかしながら熱中症は外出によるものだけではありません。
屋内にいても熱中症になります。
特にご年輩の方の屋内での熱中症は昔からあります。
私がまだ病院勤めだった頃(10年前)もよくあった事です。
私はその頃は昼の休憩時間に往診業務を割り当てられ、歩行困難な年輩の方の家に鍼灸治療をしに訪れていたのですが、
殆どの方がクーラーをつけてなかったのです。
私も汗だくだくで治療をしてました。
これでは衛生的にも患者さんの暑さ対策としても良くないので、
「クーラーをつけましょうよ」と提案したところ、
「わしゃ、クーラーが嫌いやねん」
「クーラーの風は身体に悪い」
という理由でお断りになられました。
ある日、
それはそれはとても暑い8月の日の出来事でした。
相変わらずクーラーをつけてない方の家へ往診に行った時の事です。
その人の家は閉めっきりで窓も開けずに、外の方が涼しいくらいの暑さ、熱気が家に入った瞬間に感じました。
これはいかんと思い
「〇〇さん、クーラーつけましょう!」
「黙れ!何回言わすんじゃ、クーラーなんかつけへん言うてるやろ」
「早く施術しろっ」
施術が終わって外に出ると、まるでクーラーの効いてる喫茶店に入ったような爽快感があったのを今でも覚えております。
(外の方がこんなに涼しいとは)
数日後、
その患者さんは熱中症になりました。
幸い命に別状はなかったのですが、
私の中でこの経験は、熱中症は屋内でも起きるということ、そして「クーラーが嫌い=熱中症の危険度を上げる」ということを物語っております。
確かにクーラーの風には身体に悪いと思われておりますが、
直接風に当たり過ぎると肩と首を冷やし、血行を悪くしたり、
自律神経の乱れ、消化機能の低下につながることもあります。
東洋医学でも「風邪(ふうじゃ)」や「寒邪(かんじゃ)」といって、冷たい風が身体に悪影響を及ぼすと考えられています。
特に、首筋や背中、足元を冷やすと「気血」の巡りが悪くなり、だるさや頭痛を引き起こすことがあります。
しかしながら、クーラーを悪と決めつけてまったく使わないことは、命に関わる危険な判断です。
とくに高齢者は暑さへの感覚が鈍くなっていることが多く、本人が「大丈夫」と思っていても身体の中では限界が来ていることもあります。
クーラーは上手に使えば、身体を守る大切な味方です。
以下のような工夫をすると、冷えすぎを防ぎつつ快適に過ごすことができます。
・風が直接当たらないように風向きを調整する
・室温は26〜28℃を目安に設定する
・肌寒さを感じたら薄手の羽織りや靴下で調整する
・冷房と同時に除湿も活用する
ご自身の体調や生活環境に合わせて、クーラーと上手につきあってください。
「昔はクーラーがなくても大丈夫だった」という感覚に頼るのは非常に危険です。
現代の暑さは、昔とは比べ物にならないほど過酷です。
命を守るためにも、どうか我慢せず、必要な冷房はしっかり使ってください。
そして、「なんとなく体調がすぐれないな」「夏になるとだるいな」と感じる方は、
鍼灸治療で身体の内側から整えていくのもおすすめです。
とみ鍼灸治療院では、冷えや自律神経の乱れにも対応した施術を行っています。
お気軽にご相談くださいね。
それでは今日も、水分と休息を忘れず、健やかな一日をお過ごしください。